ストロング・ハイブリッドとマイルド・ハイブリッド
バッテリー通信
2025年03月
ハイブリッド車にも“種類”があります 燃費のいい車といえばハイブリッド車、その代名詞といえばトヨタのプリウス——そんな印象をお持ちの方は多いのではないでしょうか。しかし一口にハイブリッドといっても、実はいくつかの種類があ […]
ハイブリッド車にも“種類”があります
燃費のいい車といえばハイブリッド車、その代名詞といえばトヨタのプリウス——そんな印象をお持ちの方は多いのではないでしょうか。しかし一口にハイブリッドといっても、実はいくつかの種類があります。今月号では、その違いと、それぞれが必要とする12Vバッテリーについてご紹介します。
ストロング・ハイブリッド ~国産HVの主流~

トヨタが量産型ハイブリッドとしてプリウスを1997年に市販して以来、今では国産メーカーのほとんどがハイブリッド・モデルをカタログに掲載するようになりました。以前も話題にしましたが、トヨタは敢えて「ハイブリッド車」という名称を独占せず、あくまで「プリウス」という車名に留めました。そのため他メーカーも「ハイブリッド車」というブランドで展開することになりました。
こうした国産車のハイブリッドは、区別して「ストロング・ハイブリッド」と呼ばれます。基本的にはエンジンと電動モーターという2つの動力を使い、主な走行はエンジン駆動で行いつつ、駆動用バッテリーとモーターによってエンジンが停止した状態でも走行が可能です。発進時や低速域ではモーターを、中速以上ではエンジンを使用します。
マイルド・ハイブリッド ~欧州車で採用が拡大~
対して、欧州車を中心に採用が増えているのが「マイルド・ハイブリッド」です。

これは発進などの加速時、負荷が大きい場面でエンジンによる駆動をモーターが補助的に「アシスト」する機構で、ストロング・ハイブリッドのように広い速度域をモーター駆動だけで走行することはできません。電動アシスト自転車の漕ぎ出しをイメージすると分かりやすいと思います。
どちらが優れているのか?
この2つを比べると、一見ストロング・ハイブリッドの方が優れているように思えます。しかし実際は、欧米のように長距離の高速走行が重視されるマーケットでは事情が異なります。ストロング・ハイブリッドは高速走行時には結局「エンジンのみの走行」が中心となり、駆動用モーターの分だけエンジンが小さく非力なため、「思うように走らず、燃費もかえって伸びない」というケースが少なくありません。
そのため近年では、バッテリー容量を大きくして外部からの充電を可能にし、電気での走行距離を延ばしたプラグインハイブリッド(PHEV)も増えてきています。一方マイルド・ハイブリッドは、初期モデルの12Vシステムから48Vのモーターを組み合わせた構成へと進化し、12Vや48Vのリチウムバッテリーを搭載することで、発進時のパワーアップやエネルギー回収の効率を高めています。
進化するハイブリッドと、12Vバッテリーへの要求
ハイブリッドの技術は年々進化しています。かつて「燃費が良い」とは、単純に燃料消費量をいかに減らすかを指していました。しかし今では、いかにエネルギーを再利用し、効率よく走るかへとシフトしています。この変化は、車に積まれる12Vバッテリーへの要求も静かに変えつつあります。
マイルド・ハイブリッドでは、12Vバッテリーの役割がエンジン始動用(スターター)から、主に電装品を支える「補機」へと移りつつあります。充電制御やアイドリングストップに対応するため、従来のバッテリーやAGMに代えてEFBを搭載する車種が増えているのもこの流れによるものです。
一方、国産のストロング・ハイブリッドでも、12V補機バッテリーは決して楽をしているわけではありません。エンジンの始動・停止の繰り返しや、回生ブレーキで得た電力をDC/DCコンバーター経由で受け取る充放電のサイクルなど、HVシステム由来の負荷が日常的にかかっています。そのため、こうした車には「充電受入性能が高く、容量とCCA(始動性能)にも余裕のあるバッテリー」が適しています。

ここで選択肢のひとつになるのが、MOLLのXTRA Chargeです。XTRA Chargeは、アイドリングストップを必要としない車両向けにEFBの技術を最適化した製品で、高い充電受入性能と、大容量・高CCAを両立しています。「でも国産車にEN規格(輸入車系の規格)のバッテリーは合わないのでは?」と思われるかもしれません。ところが実際は、2014年頃からEN規格を搭載した国産車が登場しており、特に2020年以降はプリウス・アクア・カローラなど多くのトヨタ車にEN規格バッテリーが新車搭載されています。EN規格はもはや輸入車だけのものではなく、世界のスタンダードとして国産車にも広がっているのです。お使いの車がEN規格に対応していれば、ストロング・ハイブリッドにもXTRA Chargeは有力な選択肢になります。

まとめ
このように、ハイブリッドと一口に言っても仕組みはさまざまで、それぞれに適したバッテリーがあります。バッテリーは、車の用途・使い方・搭載システムに合わせて選ぶもの。「アイドリングストップがないから普通のバッテリーで十分」とは限りません。ハイブリッド車のバッテリー交換でお悩みの際は、ぜひ一度当社にご相談ください。お使いのバッテリーがEN規格かどうかの確認も承っております。
輸入車・ハイブリッド車バッテリーの違いや選び方は、note でも詳しく解説しています。