EFB(Enhanced Flooded Battery)について
バッテリー通信
2026年01月
EFBは名前の通り”強化型”バッテリー。特にアイドリングストップ車向けに強化した設計が施されています。つまり基本的には従来の鉛蓄電池の性能を向上させつつ、アイドリングストップ機構を備えた車両に対応するために開発されたバッ […]
EFBは名前の通り”強化型”バッテリー。特にアイドリングストップ車向けに強化した設計が施されています。つまり基本的には従来の鉛蓄電池の性能を向上させつつ、アイドリングストップ機構を備えた車両に対応するために開発されたバッテリーです。
EFB誕生の背景
2000年代以降、地球温暖化問題への関心が世界的に高まり、自動車業界においても環境負荷の低減が重要視されるようになりました。特に、ディーゼル車の人気が高いヨーロッパ市場では燃費改善と排出ガス削減の手段として「アイドリングストップ技術」が注目され、数多くの車種に採用されるようになりました。しかしながら、従来の鉛蓄電池(SLIバッテリー)は頻繁なエンジンの始動と停止に耐えられる設計ではなく、バッテリーの劣化が早まるという問題が発生しました。この問題を解決するために、アイドリングストップ機構に適したバッテリーとしてEFBが2012年に開発されました。EFBは、従来の鉛蓄電池を基礎としつつも、耐久性と充電受入性能を向上させた設計を採用しています。これにより、アイドリングストップ車で頻繁に生じる充放電サイクルに対して高い耐性を持ち、寿命を延ばすことが可能になりました。
EFBの特長とAGMバッテリーとの比較
AGMバッテリーはアイドリングストップ技術が登場する前から存在し、元々バッテリーのポテンシャルが高いため、バッテリーに負荷がかかるアイドリングストップにも対応が可能でした。対してEFBはアイドリングストップや充電制御の技術発展と共に誕生した専用バッテリーです。
パワータイプのAGM君

ガラス繊維の筋肉で あらゆる事象をカバーする
- ガラス繊維マットに電解液を吸収・密閉
- ガスが出にくく、補水不要で腐食もしにくい。
- CCA値が高くパワフル。電装品が多くても対応できる始動力
- (SLIと比較して)サイクル寿命が3~6倍
- 熱がこもり易く、過充電に弱い。充電にも時間がかかる。
- 商品が高額。製造メーカーとしても特殊な構造ゆえ専用の生産ラインが必要。生産コスト高。
何でもこなせる器用なEFB君

様々な燃費向上技術に迅速に対応し、充電も放電も得意な万能型
- 従来のSLIベースの強化型バッテリーで極板などが強化され、耐久性up!
- 安定した電力を供給することが可能で、充電も早い
- (SLIと比較して)サイクル寿命が2~3倍
- AGMより安価で、燃費向上技術の後押しもできるお財布の味方
- 高負荷環境下(寒冷地等)では性能限界あり
このようにAGMとEFBは両方ともアイドリングストップに対応したバッテリーですが、特徴が異なります。
特に日本のようにアイドリングストップをする回数が世界的に見ても多い道路状況ではEFBの方が向いているといえます。逆に長距離を走る機会が多い海外などでは以前お話したディーゼル車が多いため、CCA値の高いAGMが推奨されます。
近年では国産車でもEN規格が採用され、また一部のハイブリッド車ではEFBが搭載されているケースも増加してきました。しかしAGMが搭載されることはほぼ無く、そもそも国産車にはAGMを搭載することをメーカー側が想定していないケースもあります。某メーカーでは新車搭載時EFBの国産車にAGMの搭載を質問した際に搭載不可の回答だったとのこと。 輸入車では診断用コンピュータで車両設定を”AGM”⇔”EFB/その他”に変更できる車種が数多くありますが、日本のモデルではバッテリー交換時のリセットだけの場合もあり、無理にAGMバッテリーを搭載すると充電率(SOC)の特性の違いから過充電を引き起こす可能性もあります。
この一般ユーザー様から見た時に一見同じように見えるバッテリー2種類ですが、車の特徴や使用環境にあったバッテリーをお客様へご提案することが、私たちの使命かと思います。