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logoEU新ルール「Regulation (EU) 2023/1542」について

バッテリー通信

2026年08月

2027年2月から新しい規制が始まり、EUで販売されるバッテリーにはQRコードの表示が義務化されます。ラベルの仕様も順次変更されており、今回は MOLL を例に、この規制変更の背景と意味について整理します。  「指令(D […]

2027年2月から新しい規制が始まり、EUで販売されるバッテリーにはQRコードの表示が義務化されます。ラベルの仕様も順次変更されており、今回は MOLL を例に、この規制変更の背景と意味について整理します。

 「指令(Directive)」から「規則(Regulation)」への変更

欧州では、従来の電池指令(Directive 2006/66/EC)に代わり、新しい「電池規則(Regulation (EU) 2023/1542)」が段階的に適用されています。これは単なる名称変更ではなく、EU全域で直接適用される“規則”へと格上げされた点が大きな特徴です。指令(Directive)は各国が自国の法律に置き換えて運用するため国ごとに差が出ますが、規則(Regulation)はEU全域で統一のルールとしてそのまま適用されます。

EC(欧州共同体)からEU(欧州連合)へ

この背景には、EC(欧州共同体)から EU(欧州連合)へと進化したことで、EU法の位置づけそのものが大きく変わったという事情があります。EC時代の欧州は「各国の協調」を重視しており、法令も指令(Directive)が中心でした。指令は“方針”を示すだけで、加盟国が自国の法律に置き換えて運用するため、国ごとに解釈や実施方法が異なることが一般的でした。

しかし、2009年のリスボン条約以降、EUは政治・経済統合体としての性格を強め、EU法の拘束力が大幅に強化されました。これにより、EU域内で直接適用される「規則(Regulation)」が中心となり、加盟国は内容を変更することなく、EU法をそのまま国内で適用する仕組みへと移行しました。

この制度進化は、自動車産業にも大きな影響を与えています。排ガス規制(Euro規制)、車両安全基準、型式認証(WVTA)などが EU統一基準として運用されるようになり、メーカーは国別仕様を減らし、EU向けの単一仕様で開発する体制へと移行しました。VW・BMW・メルセデスなどの欧州メーカーはもちろん、トヨタやホンダなど日本メーカーも、EU市場向け車両では EU規則に合わせた設計・調達・品質管理が必須となっています。特に環境規制やリサイクル要件は部品メーカーにも影響し、バッテリー、触媒、樹脂部品などの素材選定やサプライチェーン管理がEU基準に引き寄せられています。

なぜ「規則」に格上げされたのか

今回の電池規則(Regulation (EU) 2023/1542)は、この流れの延長線上にあり、EC時代の電池指令を EU時代の統一規則へアップグレードしたものです。EVや電動アシスト自転車、スマート機器など、現代の電池市場に合わせて、カーボンフットプリント、再生材含有率、デューデリジェンス、バッテリーパスポートなど、より強い拘束力を持つ新しい要件が導入されています。

このうち、電池ラベルへのQRコード表示は 2027年2月18日から義務化されます。QRコードは、その電池の一般情報・安全情報・EU適合宣言・廃棄/リサイクルに関する情報などへアクセスするための入口として機能します。

MOLLの対応

MOLL(ドイツ)では、すでにラベル面のQRコードを更新し、「EU 2023/1542」と記された新しいQRコードから製品情報ページへ案内する形で対応を進めています。読み取ると、製品ごとにデータシート、EU適合宣言、警告・安全情報、一般情報、使用済み電池の廃棄・管理などのPDFを確認できます。

なお、この規則はEU向けの法令であり、日本でそのまま義務化されるものではありません。ただし、欧州メーカーのバッテリーはこの規則に合わせてラベルが順次新しくなっていきますので、ヨーロッパ製の輸入バッテリーを扱う場合は仕様変更に注意が必要です。

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