バッテリーのラベルに書かれた警告マークの意味は?― コーションラベルの読み方(輸入車バッテリー)
バッテリー通信
2026年05月
バッテリー本体に必ず記載されている「コーションラベル」。その安全マーク・リサイクル表示・背面QRコードの中身を、輸入車バッテリーの実例で読み解きます。 リチウムバッテリーの発火・爆発事故が、住宅やごみ処理施設など日常のな […]
バッテリー本体に必ず記載されている「コーションラベル」。その安全マーク・リサイクル表示・背面QRコードの中身を、輸入車バッテリーの実例で読み解きます。
リチウムバッテリーの発火・爆発事故が、住宅やごみ処理施設など日常のなかで起きているというニュースをよく目にします。自動車用のバッテリーも、リチウム・鉛を問わず「危険物」です。当たり前のようでいて、意外と見落とされがちですが、その注意事項はバッテリー本体にきちんと記載されています。今回は、その「コーションラベル(注意ラベル)」に何が書かれているのかを、輸入車バッテリーの実例で読み解いていきます。
① 天面の「6連(多連)安全マーク」― 国際標準のコーションマーク
バッテリーの天面(上面)に並ぶこの6連コーションラベルは、EN規格の原則として原則すべてのバッテリーに記載されているマークです。国際規格(ISO)に準拠した安全マークが使われており、取り扱い上の注意を表しています。国際規格に基づくため、メーカーが違ってもアイコンはほぼ共通です(VARTA、MOLLなど)。それぞれの意味は次のとおりです。
実際のコーションラベル (VARTAの例)

それぞれの意味(ISO 7010 の安全記号)

※ 日本のJIS規格でも、JIS Z 8210にISOの内容が取り込まれているため、絵柄が若干異なる場合はありますが、意味する内容は同じです。ちなみに、皆さんがよく見かける「非常口」のマークも、同じISOに基づく図記号です。上のイラストは意味を示すための説明用の図で、実物のラベルとは細部が異なる場合があります。
② 背面の詳細記載 ― 冊子からQRコードへ
ヨーロッパのOEメーカーのバッテリーには、背面にもこれらのマークの詳細に関する記載があります。VARTAやMOLLなどは全世界への供給を前提に作られているため、多言語での詳しい説明や、その他の使用上の注意が主な内容です(なお、日本語の記載はありません)。
以前はこの説明が冊子としてバッテリー背面に貼り付けられていましたが、現在はQRコードのラベルに置き換わり、スマートフォンなどで読み取ると内容を確認できるようになっています。

記載内容の一例(MOLLバッテリーの場合)
- 保管および輸送:最適な保管温度は0℃~25℃。静止電圧が12.6V未満(MOLL AFBは12.7V未満)のバッテリーは、事前に充電せずに車両へ搭載してはいけない。
- メンテナンス:耐用期間を通じてメンテナンスフリー。端子/接続クランプは腐食から保護し、無酸性グリースを塗布する。
※上記はMOLLの記載例です。値や条件はメーカー・製品により異なります。
③ リサイクルに関する表示(鉛・分別回収)
ヨーロッパでは2000年にELV指令(End-of-Life Vehicles Directive/使用済み自動車指令)が制定され、加盟国に国内法化が義務づけられました。これは自動車に使われるプラスチックなどの再利用を進める規制で、そのなかで車載バッテリーは100%リサイクルされる資源とされています。このマークは、先ほどのQRコードなどと一緒にバッテリー背面に記載されていることがほとんどです。
リサイクルマークの横にある「車輪付きゴミ箱に×」のマークは、「一般ゴミとして廃棄してはいけない(分別回収する)」という意味です。Pbとは「鉛」のこと。プラスチックだけでなく、鉛も再利用しましょう、という内容になっています。
まとめ
バッテリーを扱う私たちにとって「バッテリーは危険物である」というのは当たり前の認識ですが、メーカーは必ずその内容をラベルに記載しています。その基準は国際基準であり、世界共通の認識です。さらに、ヨーロッパの厳しい規制やバッテリー取り扱い上の注意まで、VARTAやMOLLなどのOEメーカーは丁寧に記載しています(日本語表記はありませんが)。お手元にお持ちの際は、参考までに一度、記載のQRコードを読み取ってみていただければと思います。
※本記事は一般的な情報提供を目的とした解説です。安全マークは国際規格(ISO 7010)の標準記号を用いています。コーションラベルの実物写真は当社にて撮影したものです。MOLLのラベル画像はMOLL社提供資料を無加工で使用しています。記載の数値・条件はメーカー・製品により異なります。実際の取り扱い・適合・交換の最終判断は、各製品の表示および現車条件をご確認ください。